【解説】
描かれているのは、インドの初代首相であるジャワハルラール・ネルーの肖像です。背景には祈りを捧げる様々な身分の人々が描かれています。彼の表情は、インドの民の生活を背負い、そのために考えを巡らせているように見えます。
ポスト誌に掲載されたネルーの肖像は肩から頭部までしかありませんが、ロックウェルはもっと彼を詳細に描いた肖像画を残しています。それにはネルーが腰掛けている椅子や胸にさしたバラの花などを観ることができます。また、インドの言語で「平和」、「戦争」と記された平面的な絵が彼の肖像の左右に配置されていて、ネルーを含め、背景の人々は皆「平和」の絵の方を向いています。
【ウラ話】
ネルーと面会するため、ロックウェルは妻モリーと共にインドに渡りました。対面したネルー氏は肖像画の被写体としてはとても暗い色の服装であったため、ロックウェルの勧めで明るめの服に着替えてもらったそうです。
また、このときネルーの娘であるインディラ・ガンディーとも顔を合わせています。彼女はインド初の女性首相となる人物です。実は彼女はロックウェルの大ファンで、我が子の部屋にロックウェルの絵を飾ってしました。これにはロックウェル本人も驚いたそうです。
【詳細】
| タイトル | Nehru [他タイトル] Jawaharlal Nehru／Portrait of Nehru |
| タイトル（邦題） | |
| 掲載 | サタデー・イブニング・ポスト表紙（1963.01.19） |
| 技法／材質 | 油彩／キャンバス |
| 寸法 | 51×44.5 cm |
| 所蔵 | 個人蔵 |
