[作品紹介] Baby Carriage


【解説】

 初めてサタデー・イブニング・ポストの表紙を飾ったノーマン・ロックウェルの作品です。ここから47年間に渡る表紙制作の歴史が始まりました。
 作品の左側には休日を自由に過ごす2人の少年、これから野球に向かうところのようです。おどけた彼らの視線は険しい顔でベビーカーを押す少年に向けられています。彼は暗い色のスーツとハット、手袋といった堅苦しいよそ行きの格好をしています。対照的な少年たちの状況が、表情や服装を対比させることでうまく表現されています。

【ウラ話】

 描かれた3人の少年、実はすべて「ビリー・ペイン」という1人の少年をモデルに描かれました。完成納期までに時間がなかったノーマン・ロックウェルは、ビリー少年に違う表情やポーズを指示し、何とか絵を完成させました。作品にはベビーカーに乗った赤ちゃんの表情を観ることはできません。これは赤ちゃんのモデルを手配する時間がなかったためなのです。
 ビリー少年は当時ノーマン・ロックウェルのお気入りのモデルでした。この作品の後にも彼をモデルとした作品が数多く制作されています。

【詳細】

タイトルBaby Carriage
[他タイトル] Boy with Baby Carriage/Salutation/Home Duty
タイトル(邦題)ごあいさつ/小さなパパ
掲載 サタデー・イブニング・ポスト表紙(1916.05.20)
技法/材質油彩/キャンバス
寸法53×47 cm
所蔵ノーマン・ロックウェル美術館
(マサチューセッツ州 ストックブリッジ)